♰「皆へのもてなしの心を学ぼう」-キリスト教一致祈祷週間の終わりに

ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂で行われたエキュメニカルな夕べの祈り 2020年1月25日ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂で行われたエキュメニカルな夕べの祈り 2020年1月25日  (ANSA)

(2020.1.26 バチカン放送)

 18日に始まった全世界の「第53回キリスト教一致祈祷週間」が「聖パウロの回心」を祝う25日、最終日を迎え、教皇フランシスコは同日午後、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂で、教会一致の夕べの祈りをとり行われた。

 この集いには、正教会のエキュメニカル総主教府使節や、英国国教会カンタベリー大主教のローマ代理、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿などが出席。教皇とともに、使徒聖パウロの墓前で、そしてイタリアのテルモリからもたらされた聖パウロの弟子・聖テモテの聖遺物の前で祈りを捧げた。

 今年の「キリスト教一致祈祷週間」のテーマは、「人々は大変親切にしてくれた」(使徒言行録28章2節参照)。教皇は、集いでの説教で、使徒言行録に記された使徒パウロたちの船が暴風で難破し、打ち上げられたマルタ島で住民から温かいもてなしを受けた出来事を振り返られ、「使徒言行録のこのエピソードは、私たちキリスト者の、神が望まれる一致への旅路でもあります」と話された。

 そして「パウロの遭難の体験は、最も傷つきやすく弱い立場にある人々が、最も大切な救いのメッセージをもたらすことができることを物語っています」として、「世界の各地で疎外や迫害を受けているキリスト者たちの存在」を想起された。また、「神は一緒に航海するすべての者を自分に任せてくださった「」と、パウロが天使のお告げを人々に説明しているように、「神にとって何より大切なことは、すべての人々の救いです」と強調された。

 教皇は、マルタの人々のまれに見る親切、特に雨と寒さをしのげるように、と島の住民が焚いてくれた火は、「人間的な温かさのシンボルです」と語られ、最後に、「このキリスト教一致祈祷週間を機会に、私たちも、キリスト者同士はもとより、異なる宗教の信者たちに対しても、もてなしの心を学びましょう」と呼びかけ、受容の精神をキリスト者の共同体と家庭の伝統として示された。

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2020年1月27日