・バチカンの未成年者保護委員会の第10回総会開かれるーアフリカの被害女性から聴取

(2019.4.8 VaticanNews By the Pontifical Commission for the Protection of Minors)

 教皇フランシスコの意向を受け、バチカンの未成年者保護委員会(PCPM)の総会が8日開かれ、聖職者による性的虐待の被害者から学び、聴き、助け、守ることに主眼を置いて協議。閉会後、以下のメッセージを発表した。

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「私たちが(注:聖職者による性的虐待の)被害者に、聖なる母なる教会の民に、そして全世界に提供できる最善の成果と最も有効な決断は、個人的な、そして共同の回心の確約と、最も傷つきやすい人たちから学び、聴き、助け、守る謙虚さです」(教皇フランシスコの2019年2月24日の言葉)

*聴き、学ぶこと

 バチカンの未成年者保護委員会は4日、バチカンで、児童として聖職者から性的虐待を受けた被害者であるサブサハラ・アフリカの母親の証言をもって、第10回総会を開始した。証言は、カトリック教会で虐待を受けた人々の生の証言を注意深く聴く中であらゆる努力を払おうとする取り組みの一環としてなされた。委員会のメンバーは、文化的な背景の中で、聖職者による性的虐待の被害者・生存者が直面した複雑な問題に関して彼女が提供してくれた洞察に謝意を表します。

*助け、守ること

 4月4日から7日にかけて開かれた総会の冒頭、委員長のショーン・パトリック・オマリー枢機卿は、教皇フランシスコの代理としてあいさつし、2月の「性的虐待サミット」とこのほど公表された聖職者の性的虐待に対する安全防護策指針とバチカン市国及び教皇庁のための関係規範への委員会の協力に対する、教皇の感謝を伝えた。

 また2月のサミットを振り返り、教会の活動と使命において安全防護の重要な役割に対する理解が十分になされたが、一方で、多くのなすべきことが残されている、と判断。教皇への助言と教皇を通しての地方教会の指導を支援する観点から、本委員会は以下のものを含む、数多くの計画の立案・実施に努めている。

・性的虐待の被害を受けた生存者との作業グループを通して、事実上の生存者助言パネル(SAP)の創設。既に現地版SAPが設けられいるのに加え、安全で文化的に馴染みやすい場所で生存者から話を聴き、学習する手法がすでに開発され、ブラジル、ザンビア、フィリピンでは現地教会において様々な段階で進展がみられている。

・性的犯罪と今後の虐待行為を防止する意味についての理解に関する、国際的な専門家との共同内部調査。そうした理解は、未成年に安全な環境を積極的に提供するにあたっての重要な要素となる。

・監査手続きを作る実質のある計画。安全防護指針にもとずく、収集された資料の編集、実施状況の監視のあるべき形の解析を含むー安全防護プログラムの策定、実施、評価、そして監査で現地教会を助ける資産の創出を狙いとする。

・カトリック学校における安産防護の教育と体制の実施状況を評価するための調査研究-南アフリカ、コロンビア、インド、フィリピン、トンガにおいて試験的なプロジェクトが始まっている。

*セミナーなどの開催

・2019年12月に教会法上の刑事訴訟手続きに重点を置いた「守秘義務と透明性」に関する国際的な学術セミナーを開催する。

・「ラテンアメリカでの教会と市民社会の保護環境とに関するシンポジウム」を開催するーPCPMとボゴタ大司教区が共催し、ラテンアメリカとカリブ地域の男女修道者連盟、ラテンアメリカ聖公会協議会、カトリックの諸学校、政府組織、国際・地域NGO、国際メディア、多宗派の教会などの代表者が出席する。

*バチカンの関係部署との対話継続

 PCPMの作業部会はまた、教理省、信徒・家庭・いのちの部署を含むバチカンの関係省、部署などとの対話も継続している。

 委員会はまた、今総会のために時間を作り、委員たちに助言してくださった丸太のチャールズ・シクルーナ大司教に感謝したい。

2019年4月4日から7日までローマで開かれた教皇庁・未成年の保護に関する委員会の第10回総会。

⇒委員会の活動の詳細などは www.protectionofminors.vaに。

 

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2019年4月10日