・教皇来日前に各教区の関連事業一覧

(2019.10.11 カトリック・あい)

 カトリック中央協議会が11日までにまとめた教皇来日関連事業は次の通り。

*大阪教区

教皇フランシスコ訪日に向けた学習会「パパフランシスコ 教皇フランシスコがやってくる!!」以下いずれも対象:中高生・青年・15:00~17:30・参加費:無料
・2019年10月26日(土)「パパ様に聞こう=会場:カトリック玉造教会 小聖堂 担当:春名 昌哉 神父
・2019年11月16日(土)パパ様を生きよう=会場:サクラ ファミリア大阪梅田教会
・・・・・・・担当:松村 繁彦 神父お問い合わせ:カトリック大阪大司教区 教区本部事務局 青少年司牧委員会 06-6946-3102

教皇フランシスコ訪日を準備するための集い

・2019年11月2日(土)「パパ様のことばで祈ろう」開館時間:14:00~17:30 会場:サクラ ファミリア大阪梅田教会 参加費:無料 お問い合わせ:サクラファミリア 06-6225-8871

*福岡教区

・2019年10月19日(土)~12月3日(火)「ローマ教皇来日記念企画展-いつくしみと憐みの人-教皇フランシスコ」於:カトリック大名町教会(福岡市中央区大名2-7-7)開館時間:12:00~17:00(金曜日は20:00まで)水曜休 お問い合わせ:企画展事務局 092-522-4059

2019年10月11日

・教皇訪日に向けてー菊地東京大司教からビデオメッセージ

 9月13日には、教皇フランシスコのタイと日本公式訪問が発表となり、さらに10月2日には、プログラムの主な内容もバチカンから発表されました。

 東京では、11月25日月曜日に、(まだすべての時間が確定して発表されていませんが)、教会の行事としては、東北の被災者の方々との集まり、青年との集い、そして午後4時からの東京ドームでのミサが予定されています。被災者の方々とは麹町にある一般ホールで、また青年との集いは関口の東京カテドラルで行われます。

 それ以外に、政府行事としては、天皇陛下や首相との会談などが予定されています。

 教皇訪日に関する情報は、中央協議会の特設ページに掲載されていますので、このリンクから是非そちらをご覧ください。

 東京教区のホームページにもすでに掲載しましたが、教皇訪日にあたってのビデオメッセージを作成しましたので、ご覧いただければと思います。メッセージは英語ですが、日本語の字幕をつけてあります。

 

 今回の訪日では、とりわけ長崎や広島での核廃絶のメッセージに注目が集まっています。もちろん核兵器の廃絶は教皇様にとっても、また教会全体にとっても重要な課題であり、国際社会の場でも聖座はしばしばこの点を力説してきたところです。したがって、原子爆弾の被害を受けた長崎と広島の被爆地で、核兵器廃絶や平和を訴えられることは、国際社会に対して大きなインパクトを与えることでしょう。

 同時に教皇様は、普遍教会の最高の牧者として、また使徒の頭ペトロの後継者として、私たち日本の教会を訪れることで、教会に与えられた福音宣教の使命を率先して果たされる模範を示されることでしょう。その意味で、日本の社会にある人間の「いのち」に関わる問題に、積極的に発言されることでしょう。

 もちろん教皇様の立場は国家元首でもありますから、日本の内政に干渉するような直接的な発言は慎まれることと思いますが、倫理道徳的側面から、その始まりから終わりまで例外なく護られなくてはならない人間のいのちの尊厳、少子高齢化社会にあっての孤立や孤独の問題、貧困や格差、生きる希望の創出、真の幸福を見いだす道などについて、準備されたいくつかの行事におけるスピーチで触れられることが予想されます。

 また教皇様は、しばしば難民の方々や移住者の方々の人生について、踏み込んだ発言を続けてこられましたから、そういった課題についても、何らかの形で触れられることが予想されます。

 聖霊の導きのうちに、時のしるしを読み解きながら、神に至る道を示そうとされる牧者の言葉に、謙遜に耳を傾けたいと思います。

(菊地功=きくち・いさお=東京大司教)(「司教の日記」2019.10.4 より)

2019年10月6日

・香港での民主化デモの影響恐れ、当局が”愛国会”加入拒む聖職者への弾圧を強化(BW)

(2019.10.1 BitterWinter 

 香港の民主主義を推進するデモによってカトリック教徒が愛国教会加入を拒む機運が高まるのを恐れ、中国共産党は規制を広めている。

 香港のカトリックの聖職者の何人かは、6月の逃亡犯条例改正案の反対運動から発展した民主主義推進運動を積極的に支持している。香港教区のヨセフ夏志誠(ハー・チーシン)補助司教もその一人。運動の精神的指導者とみなされている。長く人権 擁護運動に関わってきた香港名誉司教のヨセフ陳日君(ジェン・ジェキュン)枢機卿は9月に香港の人々の人権擁護のために3度の祈祷会を開いた

 枢機卿はフェイスブックに「今この瞬間、私たちの自由、尊厳、そして正義が、ここ香港で奪われつつあります。3つの教会を巡礼し、悲しみの意味を理解する聖母に、この苦難の旅を共にし、とりなしてくださるよう祈りましょう」と書いている。

9月15日、カルメル山聖母教会で香港のための祈りを主導する陳日君枢機卿。(写真はUCAnewsから)9月15日、カルメル山聖母教会で香港のための祈りを主導する陳日君枢機卿。(写真はUCAnewsから)

 中国共産党 は、香港の抵抗の気運が党の管理・監督下にある 中国天主教愛国会 加入を拒む良心の反対者の闘志に火をつけるのを恐れ、彼らを強制的に統制する取り組みを強化している。何人かの司祭は逮捕の標的になり、カトリックの礼拝所の閉鎖が以前よりも頻繁に起きるようになった。

*バチカンの指針は無視され、”愛国会”加入拒否の司祭が地下潜伏を強いられる

 中国南東部、江西  の余江教区の教会員によると、中国天主教愛国会加入を拒んだ司祭は、9月の初め、政府が「中国本土の カトリック地下教会 が香港のカトリック教会と結びつくのを防ぐ」ため、彼の逮捕を計画しているという知らせを受けた。

 以来、彼は潜伏せざるを得なくなった。携帯電話を使えず、自宅にも戻ろうともしない。かなり以前から国から迫害を受けるのを予期していたかのようだ。かつて会衆に「備えていなさい」と語ったこともあった。「いつか私が自宅軟禁下に置かれても、信仰を守り、ロザリオを唱えて祈りなさい」と。

 先にバチカンが中国国内の聖職者に示した指針 は、良心から中国天主教愛国会加入を拒んだ司祭と司教の選択は「尊重される」べきだと述べているが、中国共産党は彼らに対する迫害を止めようとしていない

 江西省鷹潭  轄の  にあるカトリック教会の責任者が中国天主教愛国会加入を強いられたのも、香港が一因だ。8月13日、政府当局は、彼の逮捕と村内の全カトリック教徒の生活保護取り消しをちらつかせ、加入合意書への署名を迫った。責任者は役人に、中国天主教愛国会に加わるよりも逮捕されたほうがましだと言った。

*陳枢機卿から招かれた香港訪問を司祭が禁じられた

  地下教会の司教や司祭を中国天主教愛国会に加入させ、本土と香港の教会連携のあらゆるの試みを妨害するため、中国政権は彼らの香港訪問も禁止している。

 余江教区のある聖職者は、陳枢機卿から8月に香港の教会活動参加の招きを受けていたことをBitter Winterに話した。しかし、抗議運動が起こり、当局の統制が強化されたために、彼は行けなくなってしまった、という。

 「陳枢機卿は中国本土の私たちの地下教会に大きな懸念を示しています。おそらく、彼は香港の苦境を知らせようと私を呼んだのでしょうが、中国共産党は私が旅行することを禁じています。どうしようもありません」。聖職者は残念がった。

 地元の教区民によると、7月から8月にかけて、余江教区で、少なくとも5か所のカトリック集会所が、中国天主教愛国会加入を拒んで強制的に閉鎖されたという。地域のある司祭は、政府がカトリック教徒を無理やり天主教愛国会に加入させようとしているのは、さらに統制を強めて、外界との接触を絶たせるためだと言った。

*”愛国会”の教会も活動が監視されている

 「政府は中国天主教愛国会の教会内にスパイを派遣して、特に司祭が説教で何を言っているか、どのような活動をしているかを監視してい中国のあるカトリック教会(写真はUCAnewsから)ます」と司祭は説明した。「毎日、何時に出かけ、何時に戻り、何日間旅行に出ているか、その目的は何か。すべてが政府に報告されています。基本的に、国は司祭について何でも知っている状態です」。

 この司祭は、中国天主教愛国会が非常に官僚的で、バチカンとは別ものであり、カトリック教会のヒエラルキーに違反していることも付け加えた。「愛国会が神の承認を受けることはないでしょう。私たちは神を信じ、神に承認されています。もし、愛国会に加われば、私たちの神への信仰は意味を失います」と司祭は説明した。

*海外の人権団体に「”良心的拒否者”支援の声をもっと上げて欲しい」

 また、彼は、海外の人権擁護団体が、中国共産党に譲歩して沈黙せず、中国本土に暮らす カトリックの良心に従う「拒否者 」に代わって、はっきりと声を上げることに希望した。「そうすれば、中国で信仰を守っている私たちは、政府に抵抗できる力を持っている、と信じることができます」。

 ある余江教区の信徒は「カトリック教会は、自分たちと中国天主教愛国会の間に一線を引き、迷わないようにしなければならない」と語った。

 「中国天主教愛国会は単なる政治の道具です。宗教団体ではありません。なぜなら共産党の管理に従っているからです。愛国会にとって、党が第一なのです」と彼は言った。「中国共産党は国際的に愛国会の存在を利用し、中国に信教の自由があるかのように見せかけて世界を欺いています」。

中国のあるカトリック教会(写真はUCAnewsから)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日8言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2019年10月2日

・前東京大司教が、バチカン改革で”大胆批判”の公開状(ucanews)

(2019.9.25 カトリック・あい)

 岡田武夫・前東京大司教が、バチカン改革に関する私見を述べた公開状をバチカンあてに出した。

 アジアに拠点を置くカトリック系インターネットメディアの ucanews.comが24日付けで明らかにしたところによると、前大司教は ucanews.comに対して、自分は思い切って、以前、教皇フランシスコにお送りしたメッセージを若干改定した内容を思い切って公けにすることにした、と語った、という。

 公開状は先月23日に発出したもので、強調したポイントは、文化受容、非中央集権化、精神的浄化の三つ。典礼に絞った文化受容について、「新規版は日本の司教協議会に対して認められていたローマ典礼を使用しないケースを破棄することになる」と不満を述べ、日本の司教団は何年か前に、バチカンの典礼秘跡省に新たな選択肢の案を送ったが、「現在に至るまで回答をもらっていない」と語った。

 さらに、教皇庁の”中央集権化”は、教会から世界中の人々の才能を奪っている、と指摘し、「私は、聖座が各国の司教協議会に権限の分散化を試みるように提案する。普遍教会がその責任を現地の諸教会に分けることは、極めて望ましいこと」と強調している。その理由として「世界の人口の半分がアジアにあり、聖座は、アジア諸国の人的資源を活用するべきです」と説明。

 さらに、日本社会には「純粋は霊的なキリスト教的価値観、ローマの普遍教会の核心にあると期待する価値観」が不足しているが、教皇庁は、「貧しく、謙遜で、信仰深く、聖なる、主キリストの僕たちを通して、私たちに合図」を送る代わりに、「権力闘争かゲームの場であるかのような悪い印象」を与えている、と批判したうえで、教皇フランシスコが主導することで、聖座が「その名が示すように聖なるものとなる」ことに希望を示している。そして、この公開状に対する”反応”を期待している、とucanews.comに語った。

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(カトリック・あい解説)

 どうして今になって、この様なことをされたのか、若干理解に苦しむ。これだけ問題意識をお持ちであれば、現職にある時に、なぜ、日本の司教団の意見をまとめ上げ、強い働きかけを、バチカンになさらなかったのだろうか。

 日本の教会がここ20年以上にわたって、活力を失い、まとまりを司教団を含めて無くしてしまったことへの反省の言葉をまず聞かせてもらいたい、そのうえでの今回の発言であれば理解できるだろう。今求められるのは、バチカン改革に苦闘を続けられている教皇フランシスコを前向きに支えることではないか。(南條俊二)

 

 

 

 

2019年9月25日

・中国共産党が「バチカン指針」を逆手に取り、地下教会の司教、司祭、信徒に圧力(BW)

 中国共産党は、バチカンの聖職者ガイドラインにかこつけて、愛国教会に加入しない良心的拒否者のカトリック教徒に圧力をかけている。

閩東教区の郭希錦補佐司教。(写真はUCANewsから)閩東教区の郭希錦補佐司教。(写真はUCANewsから)

*福建 の閩東教区が”台風の目”に

 6月28日のバチカンの聖職者ガイドラインは中国当局に、中国天主教愛国会(CPCA)への加入を拒む人々を尊重するよう呼びかけているが、中国共産党 は「聖座は司祭と司教全員に愛国会加入を指示した」と誤った主張を続けている。

 中国南東部、福建 の閩東教区が台風の目になっている。当局が中国天主教愛国会加入申請書の文言の修正に合意したのを受け、郭希錦(グオ・シージン)補佐司教がこの文書に署名したものの、5月24日に撤回したためだ。

 郭司教は政府に抵抗する他の良心的拒否者との連帯を望んでいることを認めた。中国共産党は司教のこの動きを「統合と調和」のための計画を妨害しているとみなした。

*党統制の愛国会加入申請撤回した司教は”消される”恐れも

 教区の匿名希望のある司祭によれば「中国天主教愛国会加盟申請書の署名を撤回した後、郭司教の宗教活動が規制され、聖職者としての権限を発揮することが許されなくなった」という。

 6月29日、政府は郭司教と申請書に署名をしなかった全司祭に監視要員をつけ、新しい大聖堂の成聖式への出席を禁じた。司祭は「この動きの目的は、カトリックの良心的拒否者が政府に不都合な意見を述べ、それが国際メディアで報じられるのを防ぐためだ」と説明した。

 この司祭によると、地元当局が8月中旬に郭司教を呼び出し、「バチカンの聖職者ガイドラインがカトリック教徒の中国天主教愛国会加入を認めている」と強調、再び愛国会の加入申請書の署名を強いたが、司教は拒んだ。

 当局は郭司教の拒絶に激高し、「違法な司教」の汚名を着せる、と言って脅した。つまり、当局はいつでも彼を処罰できるのだ。

 「申請書に署名するのもしないのも容易な決断ではありません」とある司祭は言う。「郭司教が署名したとしても、政府は彼を信頼せず、ただ彼が署名したことを利用して、他の司祭たちに『統合と調和』の横断幕への署名を強いるでしょう。署名しなければ、政府は彼を暴力で弾圧し、罰するでしょう。多くの地下教会の司祭はひっそりと消え、失踪しています」。

 この司祭は、郭司教が中国天主教愛国会加入を拒み続け、中国共産党の権威と利益に背いていることに懸念を示した。結果として中国共産党は、彼を絶対に取り除くべき「目の上のこぶ」とみなしており、司教を押さえつけて報復し、さらに「消してしまう」可能性もある。

*ガンで死期の近い司祭の懇願も拒否、引退司祭にも署名を強制

 教区の教会に通う人によると、聖職者ガイドラインの公布以来、「当局はそれを閩東の司祭を中国天主教愛国会に加入させるために利用している」という。この地区の司祭57人のうち、今も抵抗を続けている者は20人に満たない。

 8月中旬、地元当局は「地下カトリック教徒を中国天主教愛国会に加入させるのは国家政策である」と述べ、司祭の1人に申請書への署名を命じた。そして「拒めば司祭の免許取り消す」と言った。”免許”を取り消されれば、彼は「違法司祭」になり、ミサを捧げれば拘束されることになる。

 司祭は、診療記録を証拠として見せながら、がんであることを役人に話した。「私はもうすぐ死にます。あとは心の平安だけが望みです。署名を無理強いしないでください。安らかに死なせてください」。しかし、役人はなお脅して署名させようとした。司祭は拒否した。

 同じ頃、中国天主教愛国会加入を拒んだ教区内の司祭9人が、閩東教区のビンセント詹思禄(ジャン・シル)司教に辞表を提出した。彼は、2018年のバチカンと中国間の合意が行われた後、郭希錦(グオ・シージン)司教の後を引き継いだ人物であり、愛国会の副議長を務めているほか、中国人民政治協商会議(CPPCC)の会員でもある。司祭の辞任は一切認められなかった。

 ある司祭によると、政府が辞表を受け取らなかった主な理由は、彼らが信者を駆り立てて地下で宗教活動を行うのを恐れたためだという。

 「政府は、引退した年配の司祭にまで署名を強要しました」司祭は言った。「中国共産党は地下教会の聖職者全員に党の指導と管理を受け入れさせようとしているのです」。

*苦境に陥る良心的拒否者

 バチカンの聖職者ガイドラインには「聖座が司祭と司教の籍登録について中国共産党と交渉を続ける」と書かれている。郭希錦司教の見解によると、一部のバチカンの高官は、中国の司祭に中国天主教愛国会と団結するようしきりに勧めているが、地下教会の司祭がその信仰と原則を保持することを支援する面では、「信者たちが言葉を解釈できないくらい非常に堅苦しく曖昧」なのだという。

 中国共産党が、バチカンと中国間の合意と聖職者ガイドラインを厚かましく利用して司祭に愛国会加入を強制し、カトリックの良心的拒否者を厳しい立場に追い込んでいるのはそのためだ。

 「合意が結ばれる前は、どれだけ強要されても恐れず、信仰を持ち続けることができました。聖座も私たちを支持していたと思います」と司教は言った。「しかし今は、全くなすすべがなくなりました。率直に言えば、拒否し続ければ中国共産党からさらに大きな弾圧と迫害を受けるでしょう」。彼は、迫害の道はまだまだ長い、カトリック教徒はそれを益として信仰を強めなければならない、と付け加えた。

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日8言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2019年9月24日

・教皇ミサ、東京は25日午後4時から東京ドームで-菊地大司教コメント

教皇、38年ぶりの来日決定

2019年09月13日

 ローマ教皇庁は9月13日午後4時(ローマ時間・同日朝9時)、2019年11月23日(土)から26日まで、教皇フランシスコが来日すると公式に発表しました。ローマ教皇の来日は38年ぶりです。菊地功大司教をはじめとするカトリック東京大司教区の私たちも、心から歓迎したいと思います。
今回の教皇来日のテーマは「すべてのいのちを守るため〜PROTECTALLLIFE」。東京、長崎、広島を訪問されます。

 詳細については特設サイト(URL:https://popeinjapan2019.jp)をご覧ください。

【教会に関係する行事】

 教皇ミサは、長崎では11月24日(日)14:00から長崎県営野球場で、東京では25日16:00から東京ドームで行われます(ただし教皇到着・参列者による出迎えは、ミサ開始のそれぞれ30分前)。

【菊地功大司教のコメント】

「教皇様が来日され、また東京を訪問してくださることになりました。教区のみなさまのともに、心から喜びを持って歓迎いたします。教皇様の示される『出向いていく教会』の姿を、わたしたちが実現できるように、教皇様の言葉と行いによる証しにならいたいと思います」

◇   ◇
教皇来日全般にかかわるお問い合わせは、以下の窓口にお願いします。

報道関係者用:「POPE IN JAPAN 2019」プレス事務局
EMAIL:press@popeinjapan2019.jp
TEL: 090-3904-8120(平日10〜18時 日本語のみ)

教会関係者・一般用:カトリック中央協議会 教皇訪日準備室
EMAIL:info@popeinjapan2019.jp
TEL: 03-5632-4446(平日10〜16時)

2019年9月13日

・教皇訪日決定で、司教協議会が特設サイト開設-来日テーマは「すべてのいのちを守るため」

(2019.9.13 カトリック中央協議会ニュース)

 日本カトリック司教協議会は、このたびローマ教皇庁が、第266代教皇フランシスコの訪日を発表したことをご報告いたします。ローマ教皇の来日は、1981年の第264代教皇ヨハネ・パウロ二世以来、2度目となります。
今回の教皇来日のテーマは、「すべてのいのちを守るため〜PROTECT ALL LIFE」です。そのロゴマークも公開しています。
今後、行事日程やミサの詳細、関連情報などを随時、特設サイト等を通じて発表していく予定です。

来日テーマ「すべてのいのちを守るため 〜 PROTECT ALL LIFE 〜」

 教皇フランシスコ来日のテーマは、同教皇の回勅『ラウダート・シ』(2015年発表)巻末に収められている「被造物とともにささげるキリスト者の祈り」から取られています。
わたしたち一人ひとりは、神の似姿としていのちを与えられ、すべての人とともに永遠の祖国を目指すよう導かれています。そしてこの世界も、神によって「人の住む所として形づくられ」(イザヤ45・18)、保たれています。ですから、「すべてのいのちを守るため」には、人間一人ひとりの尊厳はもちろんのこと、環境も大切にされなければなりません。
しかし、「わたしたち皆がともに暮らす家」である地球は、人間の手によって蹂躙されて苦しみ、そのうめく声は、世界中のうち捨てられた人々の嘆きと重なっています。
今日の日本にも、いのちと平和に関する諸問題が山積しています。
経済、環境、近隣諸国との関係といった問題のほか、大規模な天災や原発事故からの復興も、持続的な課題として存在しています。わたしたち日本の教会は、あらゆるいのちを守り、人間の生の諸問題に真摯に取り組むべく努めています。
キリストが示されたいのちの福音を告げ知らせ、キリストによる平和のために祈り働くその決意を、教皇来日のテーマは表しています。

歓迎メッセージ

日本カトリック司教協議会会長の歓迎メッセージ    長崎大司教 ヨセフ 髙見 三明

 このたび、日本を訪問してくださるフランシスコ教皇様に、日本のカトリック教会を代表して心から感謝申し上げるとともに、日本の皆様とご一緒に歓迎し喜びたいと思います。
教皇フランシスコの就任は2013年3月13日でしたが、翌年7月に、当時の司教協議会会長岡田武夫大司教と副会長だったわたしが、招待状を携えてバチカンに参りました。その後、数回にわたって手紙などを通して訪日を要請して参りました。教皇ご自身も、一般謁見の講話の中で日本のキリシタン時代のことに言及されたり、「焼き場に立つ少年」の写真の頒布を指示されたりして、訪日に向けていわば伏線を敷いておられたように思います。
それにしても、教皇訪日は、実に多くの方々の理解と協力がなければ実現できない、大きな出来事であると感じております。数ある国々の中で、キリスト信者が極めて少ない日本に来てくださることを感謝しつつ、少しでも有意義な訪日になるよう、一層気を引き締めて準備に務めて参りたいと思います。皆様方のご支援をいただければ幸いでございます。

2019年9月13日

・香港の教育現場を管理、圧迫する”社会信用制度”が試行され始めた(BW)

*”人の行動や信頼性”の採点制度を香港の学校にも”試験導入”

 中国の悪名高い「社会信用制度」は、市民に残された権利と自由を徐々に奪い取る脅威だ。2014年、国務院が『社会信用制度構築の計画概要 (2014年~2020年)』を公布し、来年中の完全実施を目指し、国内のさまざまな地域で試行を始めている。14億人の国民を追跡、採点し、人々の社会的地位を判定するのが狙いだ。

 新制度による”採点”は、国民一人一人の旅行、職場での昇進、車や住宅の購入、子供が入学する学校まで決定づける。中国政府は「一貫性ある文化」を創造し、「社会全体の信用レベル」を向上させる道具と説明しているが、実際は、政府・共産党が人々を四六時中、監視し、管理する新たな方策だ。

 そして今、中国共産党 は香港でも、この制度を導入しようとしている。

香港油塘地区の聖安当女書院。(Baycrest – Wikipedia user – CC-BY-SA-2.5)香港油塘地区の聖安当女書院。(Baycrest – Wikipedia user – CC-BY-SA-2.5

*採点制度の脅威にさらされようとした有名カトリック女子校生たち

 9月3日、あるインターネット利用者が香港の人気オンラインフォーラムに、「香港油塘地区の聖安当女書院(聖アントニオ女学院=カトリック香港教区が管理運営)が新学期から生徒の行動採点制度を導入する」との情報を投稿した。それによると、この制度は生徒全員を対象とし、各人の持ち点は100点、学校の「名誉を勝ち取った」生徒は加点され、「無謀な行いをする」生徒は減点される。学期末に「50点未満」とされた生徒は、それ以降の教育を受ける機会を失う可能性があった。

 この制度の導入が報じられた後、学校はウェブサイト上で採点制度の導入を取りやめる、と発表したが、多くの人はなお、「香港の教育界が中国共産党の影響を受け、牛耳られようとしているのではないか」と懸念している。

聖安当女書院の生徒の行動採点システムにおける減点規則(聖安当女書院に懸念を示す団体のFacebookファンページから)。

 聖安当女書院の生徒の行動採点システムにおける減点規則(聖安当女書院に懸念を示す団体のFacebookファンページから)。

 導入されようとしたこの制度は、中国の「社会信用制度」に酷似している。減点対象の違反行為として、「教員に対して不敬な態度をとる」「宿題をやってこない」「命令されても携帯電話を渡さない」「授業を欠席する」「私物を放置する」「1回の授業中に3回以上机に顔を近づける」などが列挙されており、違反1回ごとに、違反者の持ち点から1点から15点が差し引かれる。

 あるインターネット利用者は「学校当局が開発した採点基準のいくつかがあいまいだ」と指摘した。たとえば、「学校の政治的立場と異なる考え方を持つことが学校の名誉棄損とみなされるかどうか」の判断ははっきりしない。採点システムには、他にも「点数の減点または加点の条件に合致する」”柔軟なオプション”が設けられていた。一例を挙げると、「教員に尽くした」生徒は3点を獲得できる。

 この学校の規則を見たあるインターネット利用者は「公権力の濫用そのものだ」と言った。学校を 新疆ウイグル自治区 の 「教育による改心」のための強制収容所 に結び付け、画像を投稿する人もいた。

*香港の抗議参加者を”脅迫”する道具に

 学校の生徒たちは「採点システムの実態の不透明さに不安を抱き、教員による減点が公平なのか」懸念していた。「学校が生徒の発言と行動を学校内外で厳格に管理する道具になるのではないか」との不安も抱いていた。

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 聖安当女書院は制度の導入をとりやめたが、香港の他の学校ではすでに実質的な導入が始まっているところもある。

 9月2日、香港の孔教学院大成何郭佩珍中学で録音された音声がFacebook上で暴露された。それは、学校長と思われる女性が、生徒たちに「市内全域で行われる大学生、中学生のストライキに参加しない」こと、「授業のボイコットや反政府デモに加わらない」ことを要求する内容だった。

 女性の声で「自由を望むなら、もう生徒ではありません」という声や、「ストライキに参加した生徒の名前を教育局に提出するという発言が聞こえる。香港のメディア、立場新聞の報道によると、9月2日、約200人の生徒たちが自発的に授業をボイコットしたが、その中には「『甚大なデメリット』を被る」と脅迫された生徒もいたようだ。

 Bitter Winterは、ある香港の住民に話を聞いた。「もしも採点システムが学校で施行されれば、ストライキや反対運動に関わった学生が非常に心配だ」という。「学生は『校外で無謀にふるまった』『教員に不敬を働いた』とみなされるのでしょうか」。この男性は不安そうに尋ね、「学生が政治的不服従のために処罰されるのではないか」と憂慮した。

*「行動計画」には「”社会信用システム”を3年以内に香港、マカオに導入」と

 3月18日に北京で開かれた思想及び政治理論の教師のためのシンポジウムで、習近平 国家主席は、将来、中国共産党中国の社会主義システムを支える才能ある世代の育成の必要性を繰り返し強調した。そのためにはまず、学校と子どもたちから始めなければならない、と主席は語った。近年、中国共産党は頻繁に香港の教育界に介入し、香港社会の反発を招いている。

 逃亡犯条例改正案の反対運動が起こったのは、中国共産党がさまざまな手段を使って香港を管理し、侵入しようとしていることに住民が気付いたからである。中国本土における社会信用システムの施行と、香港への導入に反対する者が大勢いるのはそのためだ。

 7月5日、『粤港澳大湾区建設3ヵ年行動計画(2018年~2020年)』が発表され、中国南東部、広東 の政府が計画推進を主導することになった。行動計画には、現在、中国本土で利用されている社会信用システムを3年以内に香港とマカオに導入することが述べられている。このニュースは香港で激しい議論を巻き起こした。

 7月9日、香港政府は「香港では当面、社会信用システムを導入することはない」と明言した。しかし、8月24日にデモ隊は、解体した街灯の中にいくつもの中国製部品が据えられているのを発見した。部品のひとつは「BLEロケーター」と呼ばれるBluetoothの発信機で、人々のデータを中国本土の「天網プロジェクト」に送信している疑いがある。この出来事は再び市民に不安をもたらしている。

 中には、香港で社会信用制度が施行されれば、香港のすべての住民にとって、反対運動を引き起こした逃亡犯条例改正案による弊害に匹敵するか、それよりも悪い事態に陥るのではと懸念する人もいる。

 ある人々は「中国共産党は反対運動を見て、香港で無差別に社会信用システムを推進するのを思いとどまったのではないか、なぜなら強行すれば、すぐさま大規模な市民の反発が起こるだけでなく、香港問題に関する中英連合声明に反することになるからだ」と考えている。法的拘束力を持つ1984年12月19日調印のこの文書は、それを予見している。「香港特別行政区政府は、香港の既存の法律に定められている、人身、言論、出版、集会、結社、旅行、移転、通信、ストライキ、職業選択、学術研究、信教の自由 を含む権利と自由を保持する」。

 匿名希望の香港のインターネット利用者は「聖安当女書院の出来事を見て、中国共産党が中国本土で市民を管理するために利用している方策を複製し、香港社会のあらゆる領域に注入するのではないかと不安になった」とBitter Winterに語った。

(陳沢志による報告)

(編集「カトリック・あい」)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日8言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2019年9月12日

・”暫定合意”後、二人目の司教叙階ー中国政府・共産党の思惑は…(VaticanNews、Ucanews)

(2019.8.28 VaticanNews)

 バチカンは28日、昨秋の中国政府との”暫定合意”にもとずいて、二人目の司教が同日、教皇の権限の下で叙階された、ことを明らかにした。 叙階されたのは、山東省 漢中教区の Stefano Xu Hongwei補佐司教。

 マッテオ・ブルーニ報道官は同日の会見で、記者団の質問に答える形で、補佐司教の叙階について声明を出し、「山東省 漢中教区の Stefano Xu Hongwei補佐司教が本日28日、教皇の承認と、中国との暫定合意の枠組みの下で叙階された」と説明した。

 叙階式は、漢中市の聖ミカエル大聖堂で、中国司教協議会会長のMa Yinglin司教(雲南省昆明教区長)が司式し、5人の司教、80人の司祭、約1000人の信徒が参加して行われた。

 AsiaNewsによると、叙階されたXu Hongwei補佐司教は1975年1月生まれの44歳。1993年に福建省・閩南教区の小神学校に入り、1996年、西安教区の神学院入学、2002年7月に陝西省の漢中教区で司祭叙階、翌月、同教区の南鄭の教会に赴任、あわせて司教座聖堂である聖ミカエル大聖堂でも司牧の補助役に。さらに2004年から2008年までローマの教皇庁立ウルバノ大学に留学、さらに2010年までカナダのバンクーバー教区で司牧について勉学を重ねた後、帰国して漢中市の漢台の大聖堂の主任司祭となった。

 2015年に中国天主愛国協会・司教会議の地方委員会の会員、さらに2017年に中国人民政治協商会議中国共産党、各民主党派、各団体、各界の代表で構成される全国統一戦線組織)の連・漢台地区委員会の委員となった。漢中教区はミラノ外国宣教会が布教を始めた歴史的な教区で、約3万人の信徒がおり、司祭は30人、修道女11人がいる。

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(解説・「カトリック・あい」南條俊二)

Another Chinese bishop, two days after the last

Bishop Stephen Xu Hongwe (fourth right) at his ordination. (Photo supplied・ucanews)

   最近の三日間に、中国で二人の司教が相次いで叙階された。バチカンは「昨年九月の中国政府との司教任命に関する暫定合意にもとずくもの」と強調しているが、なぜ、合意後一年近く経ってから、教皇がすでに司教に選任していた二人が相次いで叙階されたのか。

 それは中国政府・共産党の”バチカンとの融和”を強調しつつ、中国国内のカトリック教会を実質的に支配下の置こうとする思惑によるもの、と判断できるようだ。

 その一つが、叙階式で司式した司教が中国政府・共産党に忠誠を誓った「中国天主愛国協会」の副会長と会長だったこと、叙階された二人が、いずれも海外で司祭としての教育を受けながら、そのままま宗教弾圧下の中国に帰国して、国内の教会に赴任を認められ、とくに二人目の司教は、VaticanNewsの指摘にあるように、帰国後まもなく、政府・共産党の下部機関とも言える中国天主愛国協会・司教会議の地方委員会の会員、さらに中国人民政治協商会議中国共産党、各民主党派、各団体、各界の代表で構成される全国統一戦線組織)の連・漢台地区委員会の委員となっていることだ。

 また、カトリック系の有力メディアucanews.comが28日に中国発で伝えるところによると、同日に漢中市の聖ミカエル大聖堂で行われた叙階式には、現地当局から多勢の警備員が派遣され、信教の自由を守るために政府・共産党の管理・統制下に入ることを拒み、教皇にのみ忠誠を誓う”地下教会”の信徒、司祭は排除された、という。

 一説によると、11月に計画されている教皇フランシスコのタイ、日本訪問の際、中国にも訪問されるように画策する動きがあるという。教皇訪問を歓迎することで、バチカンを取り込み、国際社会での中国国民への信教の自由を含む人としての権利を侵害していることへの批判をかわし、カトリック、プロテスタントを含む国内の宗教活動の”中国化”を正当化しよう、とする思惑が働いている可能性もある。

 米中が政治的、社会的対立を深めるなど覇権争いの様相を強める中国をめぐる国際情勢の中で、仮に教皇が中国を訪問するようなことがあれば、中国支持の姿勢を明確するものと受け取られ、弾圧を受けて苦しんでいる”地下教会”をさらなる窮地に追い込まれることにもなりかねない。

 教皇フランシスコは常々、物事の判断に「識別」力を働かせる必要があることを強調されているが、このような状況に対してこそ、的確な識別力を働かしていただきたい、と強く願う。

2019年8月29日

・中国当局がキリスト教の聖堂を”寄付”させ、娯楽施設に改装(BW)

 会衆に教会堂を明け渡す「寄付の合意」への署名を強制することで、当局は強制的な乗っ取りを「合法」で行おうとしている。教会堂の数を大幅に減らし、信者から礼拝の場所を奪うのは、中国共産党 がキリスト教を弾圧し、排除を試みる際に最もよく使う手段である。

 暴力的な強制解体以外にも、当局は教会堂を無理に別の用途で使ってしまう場合もある。建物を娯楽施設に転用したり、寄付を強いて「合法的に」占拠し、宗教関連の集会所を政府事務所に変えたりしている。

*「娯楽」が「宗教」に取って代わる

 2018年11月、中国北西部、陝西 宝鶏 轄の岐山 の宗教局は、雒家荘 にあるカトリック教会の十字架を、建物が「違法建築」であると主張して強制的に取り外した。そして、この教会を解体予定リストに入れた。

雒家荘村のカトリック教会の改装前後の様子。雒家荘村のカトリック教会の改装前後の様子。(内部筋が提供)

 今年4月、地元政府は計画を変更し、教会堂を村民のための文化スポーツ活動センターに転用することを決めた。建物だけでも守りたかった教会の責任者は、合意をせざるを得なかった。

 ほどなくして、教会堂は原型をとどめないほど変わってしまった。ツヤのある赤い屋根瓦は灰色に塗りつぶされ、黄色の外壁は白色になった。八角形の窓は正方形に変わった。雒家荘村のカトリック教会内に置かれた遊具。

 「社会主義核心価値観」を列挙したポスターや政治的スローガンが教会の外壁に貼られ、表玄関の上には、「村民の文化スポーツ活動センター」と書かれた看板が掲げられた。

 教会内の祭壇は壊され、代わりに卓球台や将棋盤が運び込まれた。部屋の壁には、書道や絵画、中国発祥の楽器やゲームなどの中国の娯楽を宣伝するポスターが掲示された。

雒家荘村のカトリック教会内に置かれた遊具。(内部筋が提供)

*村の委員会事務所に転用された三自教会

 5月20日、陝西省渭南市轄の蒲城県にあるプロテスタントの南加錄 三自教会 の信者たちは、政府の圧力を受けて、教会の屋根の十字架とその下の「愛」を意味する漢字の撤去を余儀なくされた。ま蒲城県南加錄三自教会は村の委員会事務所に変わった。た、宗教的なシンボルをすべて取り除かなければならなかった。

 しかし、迫害はそれに留まらなかった。6月1日、地元政府当局は教会の責任者を脅し、建物を村の委員会に寄付しなければ取り壊すと言った。他になすすべもなく、責任者は「寄付の合意」に署名した。すぐに中国の国旗が教会の屋根に据えられ、その下には中国共産党の記章もついた。教会の壁の両側には、「組織犯罪を撲滅し、悪を根絶する」キャンペーンに関するスローガンが掲げられた。教会堂は公式に村の委員会事務所になったのだ。

蒲城県南加錄三自教会は村の委員会事務所に変わった。(内部筋が提供)

 6月13日、蒲城県の別の三自教会も強制的に村の委員会事務所に変えられた。屋根の十字架は国旗に、「キリスト教会」を意味する漢字はプロパガンダのスローガン「人々は信じる、地域は力を持つ、そして国家は希望を抱く」に差し替えられた。

蒲城県の別の三自教会も国に転用された。蒲城県の別の三自教会も国に転用された。(内部筋が提供)

 河南省各地の三自教会も多数、政府に乗っ取られている。5月、三門峡市の都市農村統合実験地区当局は、無認可の教会と宗教関連の集会所をすべて没収し、国の所有とすることを求めた。地元の信者によると、陽店  だけでも10か所以上の三自教会集会所が強制的に政府へ「寄付」されたという。

教会は「寄付の合意」への署名を強いられた上で、政府に乗っ取られた。教会は「寄付の合意」への署名を強いられた上で、政府に乗っ取られた。

 地区の三自教会の責任者は「寄付の合意」への署名を拒んだところ、村の党書記から脅迫を受けた。「共産党に文句をつけるな。署名しなければ、教会を取り壊すぞ」。

 6月、河南省の済源市克井鎮と信陽市平橋  にある2か所の三自教会集会所が建物を政府に寄付することを強いられた。

2019年8月28日