・日本カトリック司教協議会が10月の「福音宣教のための特別月間」に向けて呼びかけ

(2019.3.19 カトリック・あい)

 日本カトリック司教協議会が3月17日付けで以下のような呼びかけを行いました。呼びかけの肝心かなめと思われる「キリストの呼びかけに応えて、新たな熱意、手段、表現をもって」行おうとする「創造的な取り組み」が何なのか、どのように進めようと考えているのか、それが不明のまま、なぜ半年以上も先のことを呼び掛けたのか、など、いろいろな感想をお持ちの方も少なくないと思いますが、これに沿った具体的な方針と内容の説明、実施が、今後なされることを期待して、当面はコメントなしで以下に転載します。

・・・・・・・・・・

ともに喜びをもって福音を伝える教会へー「福音宣教のための特別月間」(2019年10月)に向けての司教団の呼びかけ

 キリストにおいて兄弟姉妹である皆さんへ

はじめに

カトリック教会は、毎年10月の最後から2番目の主日を、「世界宣教の日」と定めています。教皇フランシスコは、今年の10月を「福音宣教のための特別月間」とすることを宣言されました(i)。この特別月間は、今から100年前、悲劇的な大戦後の1919年に当時の教皇ベネディクト十五世が「諸国民への宣教」を強調した使徒的書簡『マキシムム・イルド』と関連しています。そこでは、「聖なる生活と善行を通して、主イエスをより広く告知し、イエスの愛を広めることこそが宣教活動の目的」(ii)であることが説かれています。そこで、教皇フランシスコは、全世界の教会が「喜びを特徴とする福音宣教の新しい旅の段階」(iii)に向かっていくよう呼びかけています。

日本の教会は、教皇と福音宣教省の呼びかけ(iv)に応えて、次に提示する事例を参考にしながら、創造的な取り組みを始めていきたいと思います。

①福音宣教をする教会の魂

教皇フランシスコは『福音の喜び』の中で、聖霊降臨の出来事を思い起こし、聖霊こそが、「福音宣教をする教会の魂」(v)であり、「聖霊の働きに対し恐れることなく自らを開いている福音宣教者」(vi)となるために、日々、聖霊に祈ることを薦めておられます。

この度、「ともに喜びをもって福音を伝えるための祈り」を作りました。地元の観想修道会の兄弟姉妹の協力を願いつつ、全教区で、祈りによって宣教活動を支えていきましょう。

②イエスと出会い、ともに出向いていく

福音宣教の第一の動機、それはわたしたちが受けているイエスからの愛です(vii)。イエスの愛を受け、その救いの喜びに生かされるために、わたしたちは、秘跡、とくにミサにおけるイエスとの人格的な出会いの恵みを大切にしましょう。また、聖書通読、みことばの分かち合い、黙想会、聖体礼拝、聖体訪問なども、そのための有益な助けです。

さらに、イエスとの人格的な出会いの喜びを、日常生活の中で神と隣人への愛として広げていくために(viii)、わたしたちは出向いて(ix)社会の福音化に奉仕します。今日の日本の文化や社会の中には、すでに福音的な芽生えもありますが、多くの人々を弱い立場に追いやり、抑圧、差別している現実もあります。キリストの力でこの芽生えを育て、全ての人を大切にする社会と文化に変革する福音の担い手になりましょう(x)

 ③殉教者や聖人の生き方に倣う

聖フランシスコ・ザビエルによって福音の種が蒔かれてから今日に至る歴史の中で、日本の教会は、日本26聖人殉教者をはじめ、聖トマス西と15殉教者、日本205福者殉教者、福者ペトロ岐部司祭と187殉教者、福者ユスト高山右近殉教者という数多くの模範を、「信仰の礎」としていただいています。

また、これらの殉教者の信仰を受け継ぎ、浦上四番崩れ(1867年)に端を発する明治初期のさらなる迫害によって、西日本の22か所に流配され、信教の自由のために命をささげた人々もいました。彼らの中で、津和野の証し人37名の列福に向けた動きも始まっています。

また、第二次世界大戦前後の困難の中で、宣教のために力を尽くした聖マキシミリアノ・マリア・コルベ司祭、尊者であるチマッチ司祭や北原怜子さんの生き方は勇気を与えています。日本の教会にとって、彼らの信仰の模範は、弱い人間を支える神のいつくしみと力を示す優れた証しです。

このような列聖・列福された聖人や殉教者、そして尊者の他に、とりわけ250年にも及ぶ禁教時代に互いに支え合って信仰を伝えた名もなき先達の信仰にならい、彼らをわたしたちの宣教活動の模範と励みといたしましょう。

④「諸国民の宣教」に関する研究や養成

第二バチカン公会議後の文書や教皇パウロ六世の使徒的勧告『福音宣教』(1975年)の精神を土台にして、かつて、日本の教会で行われた「福音宣教推進全国会議(NICE)Ⅰ(1987年)・Ⅱ(1993年)」の提言を再読し、それ以降の宣教活動のあり方を振り返ることも有益です。

同時に、わたしたちが現在、置かれている文化、歴史、社会などの背景を考慮しながら、新しい視点で、日本の人々にキリスト教の救いの意味をどのように解き明かすことができるのかについて、ともに考え、分かち合いましょう。

また、司祭や修道者の召命を促進し、信徒の宣教者、カテキスタ、教会学校のリーダーなどの養成にも力を注ぎつつ、「一人ひとりが宣教者である」という意識を深めましょう。

⑤宣教活動に従事するキリスト者の支援や国内外の災害復興支援

宣教のために助け合った初代教会の信者たちの模範(使徒言行録2・43-47)を思い起こしながら、世界の教会とともに、国境や地域を越えて宣教活動に従事するキリスト者を、祈りや献金などによって支援しましょう。「日本カトリック信徒宣教者会」の活動への支援、また「世界宣教の日」、「宣教地召命促進の日」、「世界こども助け合いの日」などに毎年行われている祈りや献金は、教皇庁宣教事業を支える手段となっています。

また、日本の教会全体を挙げて取り組んできた、東日本大震災やその他の自然災害からの復興支援と被災者への祈りを、これからも続けてまいりましょう。

結び

教皇フランシスコは2019年11月に日本を訪問する意向を示されています。わたしたちは、教皇の訪日を日本の教会に向けられた「神の恵みの風」とうけとめ、「全世界に行って…福音をのべ伝えなさい」(マルコ16・15)というキリストの呼びかけに応えて、「新たな熱意、手段、表現をもって」、絶えず全力で福音宣教に取り組む決意を新たにしたいと思います。

ともに喜びをもって福音を伝えるための祈り

喜びの源である神よ、あなたは、御子キリストを遣わし、その受難と復活を通して、救いに導く喜びの福音をこの世にもたらしてくださいました。
また、あなたは、キリストの後に従う働き手を通して、諸国の民に福音を告げ知らせ、どんな逆境にあっても、キリストを信じる人々の喜びを支えてくださいました。
さまざまな困難に直面している現代社会の中で、人々の救いに奉仕する教会を顧みてください。
キリストの救いの喜びを新たな熱意、手段、表現をもって伝えることができるよう、わたしたちを聖霊によって強めてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

2019年3月17日日本カトリック司教協議会
2019年3月19日

・性虐待被害者のための祈りと償いの日・3月22日-日本の司教団の誠意ある対応が見えない

(2019.3.18 カトリック・あい)

 3月22日は、日本のカトリック教会の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」だ。関連行事http://catholic-cwd.jp/2019/02/27/470/として、カトリック中央協議会の子どもと女性の権利擁護のためのデスクは、以下のようにまとめて発表している。だが、ここでは、これ以外の教区(仙台、横浜、京都、福岡、大分、長崎、那覇)の対応は明らかにされていない。日本の教会全体で取り組む意思を示すためには、”デスク”にまかせるのでなく、司教団として、日本の教会が一致した祈りと行事を行うようにするが当然ではないだろうか。

 中央協議会の権利擁護のデスクが配布している一枚紙のチラシには、「聖職者によるこどもへの聖虐待問題を重く受け止めた日本の司教団は、2002年6月21日、「子どもへの性的虐待に関する司教メッセージ」を発表し、2003年2月、「子どもと女性の管理擁護のためのデスク」を設置しました… 安心・安全な共同体を実現するために、日本のカトリック教会として啓発運動を行います… 教区が被害者の立場に立って、誠心誠意、責任をもって対応できるように体制づくりを推進します」と書かれ、いつくかの対応マニュアル本などが列挙されている。

 だが、2002年にメッセージを発して以来これまで17年近く、司教団は具体的にどのような取り組みを行い、”デスク”は何件の相談を受け、どのように対処したのか(デスクのレベルで対処できる問題が多いとも思えないが)など、肝心のことがまったく明らかにされていない。「教区が被害者の立場に立って、誠心誠意、責任をもって対応」がされているのかどうかも見えてこない。最近でも、真偽はともかく、聖職者による性的虐待問題などがマスコミなどに取り上げられ、教会内外でも少なくない問題に懸念の声が聞かれているにもかかわらず、関係司教の、あるいは司教団としての説得力のある言明も、行動も、見えてこない。

 教皇フランシスコは、世界の教会の信用を大きく揺るがしている聖職者による性的虐待問題に対して2月にも全世界の司教協議会会長などを招集して、具体的な対応強化を求めるなど腐心しておられる。この会議には日本からも代表が出席したはずだが、その場でどのような意見を述べ、議論に加わり、メッセージを持ち帰り、この会議の結果を受けて、日本の教会として具体的にどのような行動をしようとしているのか、会議から一か月近くたった今(18日現在)も、まったく公にされていない。”デスク”のチラシなどで、22日の祈りの例文や「わたしたちにできること」が示されている。それらはもちろん大切なことだが、今求められているのは、”デスク”にまかせるのでなく、司教団としての責任ある明確な姿勢と行動だ、ということを強く訴えたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2019年度の「性虐待被害者の為の祈りと償いの日」は、2019年3月22日(金)です。それにともない、各教区では以下の行事が開催されます(カトリック中央協議会子どもと情女性の権利擁護のためのデスク)

● 札幌教区:3月22日(金)18:30~ 北一条教会(カテドラル)にて司教ミサ

● 新潟教区:3月17日(日)13:30~15:30 新潟教会「性虐待被害者のための祈りと償いの日」の集いとミサ

● さいたま教区:全小教区と修道院でミサを捧げる・直後の主日のミサ(3/24)のなかで、性虐待被害者のための共同祈願を行う

● 東京教区:3月24日(日)一般に開かれたカテドラルの晩の祈りで大司教の司式により特に性虐待被害者のために祈りを捧げる

● 名古屋教区:3月24日(日)10:00~ 福井教会 司教ミサとお話「性虐待被害の現状について」

● 大阪教区:3月16日(土)13:30 〜  サクラファミリア 「性虐待被害者のための祈りと償いの日」に向けて お話とミサ・3月22日(金)各小教区への呼びかけなど

● 広島教区:・各小教区でのミサ・「ハラスメント防止対策ガイドライン」(2011年作成)の配布

● 高松教区:3月3−4日の「拡大宣教司牧評議会」の二日目、ミサの前に「性虐待被害者のための祈りと償いの日」、地区担当者を紹介。「性虐待被害者のための祈りと償い」をテーマにミサを捧げる・3月22日(金)には、評議会参加者が各教会にもち帰った報告とともに「祈りと償いの日」を憶えた時間を持つ

● 鹿児島教区:四旬節第2金曜日(3/22)か主日のミサのなかで、各小教区で祈る

・・・・・・・・・・・・・・・

(2019.3.1 カトリック東京大司教区からのお知らせ)

カトリック東京大司教区のみなさま 「性虐待被害者のための祈りと償いの日」について  菊地功・大司教

 カトリック教会における聖職者による性虐待については、特に欧米のメディアを通じて取り上げられ、社会全体の教会に対する昨今の評価には厳しいものがあります。また司教をはじめとした責任者による隠蔽も数多く指摘され、この数年の間に、その責任をとり教区司教職を辞任した者も少なくありません。

 教皇フランシスコは、教会の聖職者による性的虐待の問題、特に児童に対する問題に教会が全体として真摯に取り組み、その罪を認め、ゆるしを願い、また被害に遭った方々と教会がともに歩むことを求めておられます。またそのために、特別の祈りの日を設けるように指示されました。

 日本の司教団は2016年12月14日にメッセージを発表し、その中で日本における「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を、四旬節・第二金曜日とすることを公表しております。2019年にあっては、3月22日(金)がこの「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたります。

 東京教区の各小教区共同体にあっては、3月22日当日、またはその直前・直後の日曜日に、教皇様の意向に従ってミサを捧げてくださるようにお願いいたします。そのミサにおいては、『ゆるしの奉献文』の使用が勧められています。またこの意向を持ってのミサが主日など他の日に捧げられる場合でも、3月22日当日には、個人的に祈りの時を持つことも勧められています。

 毎週日曜日の午後5時より東京カテドラルで晩の祈りが行われていますが、3月24日の晩の祈りは教皇様の意向でささげられます。

 世界中の教会に多くの被害者がおられるといわれます。日本の教会にあっても、欧米と比較すれば少ないとはいえ、聖職者による性虐待や性的ハラスメントの被害に遭われた方々の事案が複数報告されています。全国の他の教区と同様、東京教区にあっても、聖職者による性的ハラスメントに対応する相談窓口が設置されております。詳細は教区ニュースでお知らせしますが、被害を受けられた方のプライバシーを優先しながら、真摯に対応してまいります。

 無関心や隠蔽も含め、教会の罪を認めるとともに、被害を受けられた方々に神のいつくしみの手が差し伸べられ、癒やしが与えられるように、ともに祈りたいと思います。同時に、同じようなことが繰り返されないように、信仰における決意を新たにしたいと思います。

 

 

2019年3月18日

・政府公認のプロテスタント指導者が”中国化”称賛-「西側勢力はキリスト教を政治利用」と

(2019.3.16 カトリック・あい)

 中国政府公認のプロテスタント組織、三自愛国運動全国委員会のXu Xiaohong委員長が、北京で開催中の中国人民政治協商会議に出席し、中国のキリスト教教会は「西欧の痕跡」と「帝国主義的影響」を排除せねばならない、と訴えた。カトリック系の有力インターネット・メディアucanews.comが15日付け香港発で伝えた。

 ucanews.comによると、委員長は11日、同会議で「キリスト教の中国化に対する支持、社会主義社会への積極的な適合」と題して演説。中国政府・共産党が進める「キリスト教の中国化」を称賛するとともに「西側勢力は中国の政権を覆そうとして宗教を利用している」と批判、「西側の反中国勢力は、キリスト教を通して、中国の社会的安定に影響を及ぼし、政権を倒そうとしているが、そうした試みは失敗を運命づけられている」と決めつけ、「中国は外国勢力によって汚されてきた。彼らは植民地主義の侵略者としてこの国に来て、宗教を広め、中国の教会を”独立運動”へと駆り立て、”現地化された思考”の引き金を引かせた」と強調した。

 そのうえで、委員長は、中国共産党を「西側の手からキリスト教を引き戻し、中国の伝統を大切にする中国文化に適合するやりかたでキリスト教を解釈しようとしている」とたたえ、共産中国の初代首相、周恩来氏の言葉を引用する形で、中国のプロテスタント教会は「自分自身(の個性)を持たねばならず、三自原則による国民意識を高め、帝国主義者の影響と権力を阻ばねばならない」と訴えた。キリスト教の中国化への主要な障害として、海外からの侵入、登録なしの宗教的場所、司牧者の愛国心の欠如、信徒の法的問題への認識の低さ、などを挙げ、「宗教の名において中国の国家的安全に挑もうとする者は全員、法の裁きを受けねばならない」と強調したという。

 中国は習近平・国家主席の下で、信教の自由を否定、弾圧の姿勢を強めており、特にキリスト教徒、チベット仏教徒、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒への締め付けが厳しさを加えている。仏教寺院では中国共産党の英雄の写真を掲示することが命じられ、国内の各所で聖書の販売が禁止され、新疆ウイグル自治区の何十万人もの回教徒が”政治再教育収容所”に送り込まれている。

 ucanews.comによると、香港のプロテスタント系の建道神学院のKiven Choy Siu-Kai院長は「こうした事態は世界のキリスト教指導者たちに警鐘を鳴らすもの」とし、「私たちは、キリストの使徒たちが語った『我々は人間でなく、神に従わねばならない』という言葉から、学ぶ必要がある」と訴えている。

 

 

 

 

 

2019年3月16日

・中国首相、全人代で「宗教の中国化」確認、バチカン高官は”暫定合意”の「改善必要」

(2019.3.11 カトリック・あい)

 欧米の主要メディアが8日付けで伝えたところによると、李 克強首相が北京で開催中の中国全国人民代表大会(全人代=国会)で行った政治活動報告の中で「宗教の中国化」推進を言明。「我々は、宗教に関する党の基本政策を完全に遂行し、中国における宗教の中国化を堅持せねばならない」と強調した。

 

 

2019年3月11日

・『聖書 聖書協会共同訳』の典礼での使用は「数年先に検討」と司教団

(2019.3.8 カトリック・あい)

 典礼にふさわしい美しい現代日本語訳を目指し、日本聖書協会が昨年12月、31年ぶりの新しい共同訳聖書となる「聖書 聖書協会共同訳」を発刊したことは、すでに報じているが、カトリック司教団は、教会の典礼での使用について「数年先」に検討する、という消極的対応に留まることが明らかになった。

 5日発行のカトリック中央協議会の会報2019年3月号が、1月10日に開いた定例常任司教委員会の決定として伝えた。それによると、同委員会は、「聖書 聖書協会共同訳」の扱いについて審議した結果、カトリック教会の典礼での使用については「数年先に検討する」こととし、「毎日のミサ」などの引用やミサの聖書朗読については「現時点では現行どおり『聖書 新共同訳』を使用する」ことを決定した。

 今回の共同訳作成は、カトリック教会を含む18の諸教派、団体の代表で構成する共同訳推進計画諮問会議が2009年10月に「翻訳方針前文」を採択。「過去の聖書翻訳の歴史には、意訳か、直訳が、という対立があったが、今回の翻訳では、最新の聖書学の成果を活用し、「読者対象と目的(礼拝で朗読される聖書)に合わせて翻訳する」との基本方針をもとに、2010年から、カトリック、プロテスタントの初の共通の聖書「聖書 新共同訳」(1987年刊行)の次世代版として、カトリック、プロテスタントが力を合わせて、完成させたものだ。

 1987年に発刊された「聖書 新共同訳」は、日常的に使われている今の日本語から見ても不完全で、時代遅れの死語、あるいは”差別用語”に近いと思われる言葉も使用され、イスラエルには存在しない動植物が”登場”するなど、正確さにも欠ける。

 これをもとにしたカトリック教会で現在使用されている典礼文、聖書朗読文を、「聖書 聖書協会共同訳」を反映した「美しく、現代口語に合った典礼文」「ミサにおける聖書朗読文」に改める作業を急ぐことは、福音宣教の見地からも必要と思われる。

 教皇フランシスコは一昨年9月に「典礼書の翻訳に関する権限のバチカンから現地の司教協議会への重要な移行」を明確に意味する自発教令を出し、教会法の部分改正を実施、各国語の典礼文の表現について、バチカンから現地の司教団に権限の比重を移す決定をされている。今回の共同訳は、事実上、そうした教皇の「現地化」の意図を受けた形となっており、カトリック教会からは岡田、高見両大司教らも関与している。

 にもかかわらず、典礼での使用については「数年先に検討」と、採用するかどうかも数年先にならないと決められない、ミサでの引用や聖書朗読は「現時点では現行通り」という曖昧な姿勢では、何のためにこの翻訳プロジェクトに、大司教が二人も関与したのか、理解に苦しむ。積極的に採用に取り組むことを改めて求めたい。

2019年3月8日

・菊地・東京大司教より改めて「東京教区宣教司牧方針策定」へ協力要請

(2019.3.4 カトリック・あい)

 菊地東京大司教から東京教区の全教会、修道会、司祭、信徒に東京教区宣教司牧方針策定に向けた提言作成の要請が、東京教区ニュース3月号に掲載、東京教区ニュース・インターネットでも3月4日から伝えれました。以下に全文を転載します。

(2019.3.4東京教区ニュース)

東京教区のみなさま 東京教区宣教司牧方針策定への協力のお願い

 先般、東京教区ニュース1月号(359号)の冒頭にてみなさまにお願いしたところですが、東京教区のこれからの宣教司牧方針を策定する作業に、ご協力ください。

 2018年の聖霊降臨祭に、私は「多様性における一致を掲げて」と言う文書を発表いたしました。その中に、宣教司牧方針策定のために考えたい課題が10項目掲げてあります。
これらの課題について、みなさまからの提言をお願いしたいのです。どれか一つで構いません。すべてを網羅する必要はありません。小教区や修道院で、共同体として意見を交換し、提言を作成してください。話し合いのための10の課題は以下の通りです。

1:修道会の垣根を越えた、教区における司牧協力体制の充実
2:滞日外国人司牧の方向性の明確化と見直し
3:継続信仰養成の整備と充実
4:現行「宣教協力体」の評価と見直し
5:カトリック諸施設と小教区・教区との連携
6:イベントの豊かさだけではなく、霊的にも豊かな共同体の育成
7:信仰の多様性を反映した典礼の豊かさの充実
8:文化の多様性を尊重した典礼の豊かさの充実
9:教区全体の「愛の奉仕」の見直しと連携の強化
10:東日本大震災への取り組みに学ぶ将来の災害への備えの充実

話し合いと提言にあたっては、以下の諸点を心にとめてください。

1:個人の意見ではなく、必ず複数の方で意見の交換をお願いします

2:どのような集まりでも構いませんが、必ず、祈りをもって話を始め、祈りもって終わってください

3:提言はパソコンなどでワードのA4サイズで作成してください。差し障りがなければ、話し合われた方のお名前と所属小教区、あるいは修道会名を明記してください。また一つの項目についてはA4で2ページを超えることのない程度に、まとめてください。

4:積極的に前向きで、教区の福音宣教をより良くするための提言をお願いいたします。

5:提言はメールにワード文書を添付して送付ください。「件名」は、「宣教司牧方針」とご記入ください。

提言のためのアドレスを用意しました。以下のアドレスは2019年6月末日まで有効です。なお提言送付以外の目的では、このアドレスをお使いにならないでください。

メールアドレス: dawatrim@gmail.com

メールを使われない方は、教区本部に郵送ください。郵送の際には、封筒に、「宣教司牧方針」と明記ください。メールも郵送も締め切りは、2019年6月9日です

みなさまのご協力を、心からお願い申し上げます。

2019年2月1日 カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

2019年3月4日

・キリスト教徒の人権派弁護士、2年の刑を終え出所後、行方不明に、父、妹も

 写真は、外国人記者たちの取材を受ける江天勇弁護士(2012年5月2日、Photo by Mark Ralston/AFP)
Chinese rights lawyer missing after prison release

(2019.3.2 カトリック・あい)

 中国で宗教関係者と共に人権活動家に対する弾圧が強まっているが、今度は、キリスト教徒の人権派弁護士が釈放直後、行方不明になった。

 バチカンは昨年9月、中国政府との間で、当局が任命した司教8人を教皇も承認する「暫定合意」を交わした。だが、政府の融和ポーズとは裏腹に、国内の宗教団体、信徒の活動を監視・統制する中国共産党統一戦線工作部は、これを機に、カトリック”地下教会”の司教、司祭、信徒への締め付けを強化している。

 そうした動きと同時並行的な人権活動家弾圧の強まりの中で、これらに目をつむって「暫定合意」を正式合意へと進めるのか、それとも、合意凍結など、中国政府、党の姿勢に批判の姿勢を明確にするのか、バチカンの今後の動きが注目される。

 カトリック系の有力インターネット・メディアucanews.comが1日, Hong Kong 発で伝えたところによると、この弁護士は河南省の刑務所に収容されていた 江天勇氏。「現政権の転覆をはかろうとした」として禁固二年の刑を受け、2月28日に刑期を終えて出所した後、行方不明になった。

 彼の友人たちが刑務所に迎えに行ったところ、警官から「すでに誰かが迎えに来て連れて行った」と言われ、刑務所から去ろうとして、公安に後をつけられていることに気が付いた、という。彼の身を案じた友人たちが家族と話そうとしたが、彼の父親とも妹とも連絡が取れず、彼らも行方不明になったと見ている。米国にいる彼の妻も、彼と連絡が取れないという。中国の人権派弁護士団体は声明を発表し、江弁護士と父、妹の所在を明らかにするよう、当局に強く要請、弁護士本人が父、妹とともに住んでいた北京の自宅に戻るのを認めるよう求めた。

 北京に事務所を置く江弁護士は、維権(weiquan=人権擁護)運動の先頭に立ち、チベット族、様々な請願者、法輪功の信者たちなど、社会的弱者の権利を守るために活動してきた。2015年7月から当局が中国全土で行った人権派弁護士、人権活動家の一斉検挙で身柄を拘束された弁護士たちの支援にもあたったが、2016年11月に湖南省の長沙市の公安当局に逮捕された。翌2017年秋に政権転覆を図ったとして起訴され、禁固2年、選挙権・被選挙権の3年間剥奪の刑を言い渡された。香港メディアによると、彼は、刑務所内で繰り返し拷問され、さらに薬物を強制的に飲まされて、歩行不能、記憶喪失に陥らされた、とも伝えられている、という。

2019年3月2日

・東京教区の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」-今年は3月22日

(2019.3.1 カトリック東京大司教区からのお知らせ)

カトリック東京大司教区のみなさま 「性虐待被害者のための祈りと償いの日」について  菊地功・大司教

 カトリック教会における聖職者による性虐待については、特に欧米のメディアを通じて取り上げられ、社会全体の教会に対する昨今の評価には厳しいものがあります。また司教をはじめとした責任者による隠蔽も数多く指摘され、この数年の間に、その責任をとり教区司教職を辞任した者も少なくありません。

 教皇フランシスコは、教会の聖職者による性的虐待の問題、特に児童に対する問題に教会が全体として真摯に取り組み、その罪を認め、ゆるしを願い、また被害に遭った方々と教会がともに歩むことを求めておられます。またそのために、特別の祈りの日を設けるように指示されました。

 日本の司教団は2016年12月14日にメッセージを発表し、その中で日本における「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を、四旬節・第二金曜日とすることを公表しております。

 2019年にあっては、来る3月22日(金)がこの「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたります。

 東京教区の各小教区共同体にあっては、3月22日当日、またはその直前・直後の日曜日に、教皇様の意向に従ってミサを捧げてくださるようにお願いいたします。そのミサにおいては、『ゆるしの奉献文』の使用が勧められています。またこの意向を持ってのミサが主日など他の日に捧げられる場合でも、3月22日当日には、個人的に祈りの時を持つことも勧められています。

 毎週日曜日の午後5時より東京カテドラルで晩の祈りが行われていますが、3月24日の晩の祈りは教皇様の意向でささげられます。

 世界中の教会に多くの被害者がおられるといわれます。日本の教会にあっても、欧米と比較すれば少ないとはいえ、聖職者による性虐待や性的ハラスメントの被害に遭われた方々の事案が複数報告されています。全国の他の教区と同様、東京教区にあっても、聖職者による性的ハラスメントに対応する相談窓口が設置されております。詳細は教区ニュースでお知らせしますが、被害を受けられた方のプライバシーを優先しながら、真摯に対応してまいります。

 無関心や隠蔽も含め、教会の罪を認めるとともに、被害を受けられた方々に神のいつくしみの手が差し伸べられ、癒やしが与えられるように、ともに祈りたいと思います。同時に、同じようなことが繰り返されないように、信仰における決意を新たにしたいと思います。

 

 

2019年3月2日

・中国の国家宗教事務局、国務院民生部が新規制導入-”地下教会”破壊の恐れ

十字架が破壊される前の河南省商丘市の司教座聖堂。中国国家宗教事務局は、すべての宗教関係の施設に法人格を登記するよう求めた。管理監督体制を改善するため、としているという。(写真は関係者からucanews.comへの提供)

(2019.2.19 カトリック・あい)

Legal move sparks fears for Chinese underground church

 中国当局のカトリック”地下教会”を含む宗教団体への規制が一段と強化されることになり、これが、信教の自由を訴え、中国当局の支配統制下に入ることを拒否している”地下教会”の破壊につながる、との懸念が中国の信徒の間に強まっている。

 アジアの有力カトリック・メディア ucanews.com が19日付けの香港発で伝えるところによると、中国国家宗教事務局(SARA)と国務院民生部が12日、国内の全ての宗教施設に対し、4月1日から、法人登記を義務付ける、と発表した。

 ucanews.comによると、カトリックのある信徒は、このような登記は地下教会の活動を殺すことになりかねない、と懸念を表明し、「当局は以前から、地下教会に対して、登記をするよう脅してきたが、公式の通告はありませんでした。今回、公式の通告がされたことで、当局は、地下教会の司祭たちに対して、当局の統制に服している中国天主愛国協会への加盟を強要する法的根拠をもつことになりました。加盟しなければ、非合法とされるのです。地下教会を殺すこともできます」と危機を訴えている。

 また、今回の通告前に提示された事前通知によれば、法人登記の対象となるのはモスク、教会、その他の宗教施設で、登記により、財務、経理、管財について国家の規制に従い、健全なルールと規制によって組織体としての基準を満たす義務が生じる。また、登記に当たっては事前に、地方当局から承認された宗教団体の同意を得る必要があり、その情報と書類は地方の宗教管理当局の検閲を受けねばならない、としているという。

 提出が必要な情報としては、宗教施設の登記の写し、法人の代表者の身分証明書、責任のある人々全員の基本情報などが含まれる、とされている。法人格を得た後、その施設は銀行口座の開設や納税登録が可能になるが、その際の申請には、施設の名称と所在地、活動、所属している者の人数とそれぞれの資格など36項目について記入する必要があり、「資格」には「中国共産党の指導と社会主義制度を支持すること」も含まれているという。

 なお、SARAが、WeChat(中国大手IT企業テンセントが作ったメッセンジャーアプリ)で説明しているところによれば、登記制度の一つの狙いは「宗教の商業化」の防止にある、という。

2019年2月20日

・中国当局、春節で地下教会の司教たちを一時釈放、教会活動禁止の条件で

 

Chinese bishop and priests released for Lunar New Year

拉致された崔泰・司教の解放を求めるポスターを掲げる香港の陳実君・枢機卿(昨年5月、陳枢機卿のFacebook より)

(2019.2.8 カトリック・あい)

 中国北部、河北省の”地下教会”の司教1人と司祭2人がこのほど、昨年から続いていた当局による監禁を解かれ、春節を祝うための帰宅を許された。

 アジアを拠点とする有力カトリック系ニュースサイトucanews.com が香港発で8日伝えたもので、三人は崔泰・補佐司教と宣化県の Su Guipeng 、Zhao He両神父。補佐司教は昨年4月半ばに中国共産党統一戦線工作部の現地担当者に拉致され、行方不明となっていた。

 現地の関係者によると、1月24日に春節を祝いに姉を訪ねる目的で帰宅を認められたが、彼のいた教会での宗教活動は禁じられている、という。補佐司教は68歳だが、健康を害しており、52キロに体重が落ちている。他の2人の司祭も帰宅は認められたものの、教会での活動は禁じられている。

 また、春節の後の3人の扱いについては、自宅監禁の状態に置かれる可能性が強い、という。崔補佐司教は、2007年以来、たびたび逮捕監禁され、春節や中秋節に限って帰宅を許される、事が繰り返されてきた。3人は、中国当局の監督・規制の下にある中国天主愛国協会への参加を繰り返し強制されているが、当局の干渉を受けない信仰を貫くとして、断固拒否を続けている。

 

中国における宗教活動規制さらに強まる-米の監視機関2019年版報告で

(2019.2.9 カトリック・あい)

 原文はhttps://freedomhouse.org/report/freedom-world/2019/chinaへ

2019年2月9日